副社長は束縛ダーリン
上品に微笑んで誘われても、なにか企んでいそうな気がして、私の背には冷や汗が流れ落ちる。
「すみません、今は友達と一緒なので」と断ったら、「お友達もぜひご一緒に。ふたりにパフェをご馳走させて」と言われてしまった。
斜め後ろに振り向くと、私と同じように笑顔を引きつらせているユッコと目が合う。
『こういうお嬢さまってものすごく苦手だわ……』という感情が表情に透けている。
私としては味方であるユッコが一緒にいてくれた方が心強い。
それで「ユッコも一緒にーー」と言いかけたら、慌てたように遮られた。
「私はこれで帰るよ。これから用事があるの思い出した。朱梨、また明日ね」
望月さんに会釈してから、そそくさと去っていくユッコの後ろ姿を、見送るしかない私。
望月さんに出くわす前は、女友達とのショッピングはやっぱりいいなと思っていたところだったのに、助けてくれずに逃げられた。
私たちの友情って……。
「入りましょう」という彼女に従い仕方なく入店し、奥の角の四人掛けテーブル席に向かい合って座る。