副社長は束縛ダーリン
冷凍コロッケの市場を望月フーズに奪われたら、確かにユキヒラ食品は経営が難しくなりそう。
それほどに利益の大半を冷凍コロッケが占めているのだ。
望月さんと結婚するから会社を潰さないでほしいと、頭を下げる悠馬さんを想像し、捨てられる自分の姿も思い描いてしまった。
血の気が引く思いで小さく首を横に振って見せたら、彼女はクスリと大人っぽい笑い方をする。
「私だってこんな手法は取りたくないのよ。あなたとの直接勝負に負けたら、悠馬を諦められると思ったのに、応じないんですもの。
戦わずに負けるのが嫌なのよ。だからあなたとは無関係の場所での戦いにーー」
「やります! コロッケ勝負やりますから、ユキヒラ食品を潰すなんて、そんな怖いことやめてください!」
悠馬さんを賭けたくないけど、そう言うしかないじゃない。
ユキヒラ食品の存続が危ぶまれる状況を想像させられては、勝負しないという選択はできないよ……。