副社長は束縛ダーリン

自らの不出来具合を暴露するのは恥ずかしいけれど、仕方なく、今までレシピを採用されたことはないと打ち明けた。


「ですから、私がいくらやる気を出したって、たった三ヶ月で商品にしてもらえるはずはないし、勝負にならないんです」

「朱梨さんって、想像以上に駄目な人なのね。かつて私に告白した人の彼女があなたなのは、屈辱的よ」

「す、すみません……」


呆れ顔をする彼女だったけど、縮こまる私に小さな溜め息を聞かせてから、「まぁいいわ」と言った。


「それくらい、私がなんとかするから」


なんとかって……?

他社の望月さんが、私のレシピをどう商品化させるというのだろう。

そんな疑問を顔に表して首をかしげると、サラリと驚くことを言われた。


「朱梨さんのレシピで十二月に新商品を出すよう、圧力をかけておくの」

「え……そんなことできるんですか?」

「簡単よ。私を誰だと思ってるの?」


天下の望月フーズホールディングスの社長令嬢で、専務取締役ですよね。

中堅企業であるうちの社に、それくらいの要求を飲ませることなんて造作もないという自信が彼女の表情から見て取れた。

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