副社長は束縛ダーリン
それから二時間ほど経った夕暮れ時。
マンションに帰ってきた私は、すぐに悠馬さんに報告することはできず、まずは夕食の支度に取りかかっていた。
今日のメニューはカレーライス。
野菜を切って牛肉とともに炒め、水を入れてグツグツと煮込む。
火加減を調整しつつ、悠馬さんになんと言って説明しようかと悩んでいたら、リビングでサッカー中継を観ている彼の手元でメールの着信音が聞こえた。
オープンキッチンのコンロの前に立つ私は、鍋からソファーに視線を移す。
悠馬さんの肩から上の後ろ姿しか見えず、誰からのメールだろうと気にしていたら、こっちに振り向いた彼と視線が合い、ビクリと肩を揺らした。
彼は眉間に皺を寄せ、私に文句がありそうな顔をしているからだ。
スマホを手に立ち上がった悠馬さんは、テレビを消して近づいてくる。
キッチンの向かいで足を止め、私にスマホ画面を見せながら「どういうこと?」と問いかけてきた。
「望月のメール。【朱梨さんから話を聞いておいて】と書かれているけど、なにがあった? 望月に会ったの?」
「あの、ばったり会ってしまったんですけど、えーと……」