副社長は束縛ダーリン

しかし勝敗は売上個数ではなく、売上額で決まる。

私のコロッケの価格はミートチーズコロッケで予定していたものよりもさらに下げて、ひとパック百九十八円に設定してある。

一方望月さんの『大人の贅沢コロッケ』は四百九十八円だから、九日間での売上額は、私が三百四十三万円ほどで、彼女が約四百四十二万円と、およそ百万の差をつけられているのだ。


最終日の昨日は日曜だったから、売上がドンと増えていることを期待したいけど、それは彼女の側にも同じことよね……。


自信のなさに思わずうつむく私。

すると悠馬さんが『大丈夫』というように私の手を強く握りしめた。

顔を上げても視線が合わないのは、悠馬さんが望月さんを見ているからだ。


「俺は朱梨が勝つと予想しているよ」

「あら、随分と簡単に言うのね。
強がり? それとも願いごと?」

「計算上だよ。売上の推移をグラフにすると、うちは右肩上がりで特に土曜の……」

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