副社長は束縛ダーリン
悠馬さんの説明によると、私のコロッケは日を追うごとに売上個数の伸び率を上げていて、対決九日目の土曜日は六千個に届きそうな脅威的な数字を叩き出した。
それは休日で買い物客が多かったからという簡単な理由だけではなく、早速リピーターがついているからだと分析しているらしい。
安くて美味しいから、まとめ買いして冷凍庫にストックしておこうと考えてくれる客が大勢いたということだ。
それに対して望月さんのコロッケの売上グラフは、日数が進むにつれて下降している。
休日効果で土曜日は少しだけ上昇しているが、それもほんのわずかだ。
その理由は、リピーターが少ないからではないだろうか。
いくら美味しくても冷凍コロッケに五百円近く出そうと思う人は少なく、一度食べて満足するだけで、冷凍庫にストックしておこうという気持ちにはならないのかもしれない。
悠馬さんの説明に、勇気づけられる思いで目を輝かせる私。
この勝負で負けたら販売中止になることも宣伝しているし、今のうちに買いだめしておこうという人が日曜日に大勢いたら……もしかして逆転できるかもしれない。