副社長は束縛ダーリン
残念ながらその予感は当たっていたようで、彼女は楽しそうな顔をして、「悠馬に私を拒否することができるかしら?」とクスクスと笑って言った。
「なにを企んでいる?」
「先月、とある政治家のパーティがあって、以前から懇意にしている大槻先生にお会いしたの。もうすぐ婚約を発表すると伝えたら『お祝いするよ』と言ってくださったわ。他にもうちと繋がりのある、経済界の大先生方にも婚約を匂わせておいたのよ」
大槻先生とは誰?という視線を悠馬さんに向けると、「経済産業大臣」とひと言返され驚いた。
大物政治家や経済界の大御所と知り合いな望月さんがすごい。
いや、感心している場合じゃなかった。
これって、すごくマズイことを言われているような気が……。
悠馬さんが怖い顔をして「俺の名を出したのか?」と確認している。
「まだ名前は出していないわ。この勝負の結果発表後に、あなたの名前を出してあちこちに連絡するつもりよ。先生たちから婚約おめでとうと言われたら、悠馬はどう対応するの?
婚約を否定すれば、うちだけじゃなく、ユキヒラ食品の信用にも傷がつきそうね」