副社長は束縛ダーリン
真っ赤な顔で社長に抱かれる私を見た悠馬さんは、焦った顔をして、私たちを引きはがしにかかった。
しかし、ユキ丸くんも他の社員たちも集まってきて、前後左右、押し潰されそうなほどに、みんなに抱きしめられる状況になっている。
歓声を上げて喜び、大盛り上がりの三十人ほどの集団。
その中で、悠馬さんだけが不機嫌そうに声を荒げていた。
「おい親父、俺の女に抱きつくな!
他の奴も、男は朱梨に触らないでくれ!」
それから三十分ほどが経ち、無料配布を告知していた百個の冷凍コロッケはあっという間になくなった。
イベント終了後の広場では、ゴトーヨーカドーの職員の手によって、ステージや椅子の撤去作業が続いている。
邪魔にならないようにと、巨大クリスマスツリーの後ろに戻った私の隣には悠馬さん。
それと……望月さんも一緒にいる。
敗者となった望月さんにお嬢様的なスマイルで「おめでとう」と言われ、私は返事に困っていた。