副社長は束縛ダーリン
土曜は髪を切りに行こうか?
それとも、ひとりでショッピング?
いや、ひとりで過ごすなんてもったいない。
しばらくご無沙汰していた友達に連絡して、一緒にどこかへ遊びに行こう。
急な誘いでも、ひとりくらいは暇な人が見つかるだろう。
友達と遊びに行くことなんて、ごく普通の日常だったはずなのに、気づけば久しぶり。
なんだかワクワクしてくるこの気持ちは、どうやら顔に表れてしまったようで、悠馬さんの眉間に皺が寄った。
「なんで嬉しそうなの?」と、怖い顔して詰め寄ってくる。
うっかり笑顔になっていたことに、ハッと気づかされた私。
慌てて両手で頬を挟み、下方向に引っ張って喜びを隠してみたが、もう遅い。
肩をトンと押されて、壁に背を押し当てられると、逞しい二本の腕に囲われた。
「俺がいない間に、なにをしようと考えてる?」
まるで私がよからぬことを企んでいるかのような言い方をして、彼は私との距離を詰めてくる。
今は廊下に誰もいないけれど、いくつも並んだドアがいつ開けられてもおかしくはない。
社内で壁ドン中を見られては、悠馬さんの副社長としての信頼に関わるのではないかと心配し、スーツの胸元を両手で押し返そうと試みた。