副社長は束縛ダーリン
だから、まるで彼の出張中に浮気するような心配をされては、私だって不愉快になるというもの。
至近距離で凄んでくる彼に負けじと、私も真剣な眼差しで言い返した。
「悠馬さんは、私を信じてくれないんですか?」
「いや、そうじゃないけど……」
「だったら、おかしな心配せずに出張してください。私は悠馬さんが大好きです。裏切るような真似は絶対にしません」
真顔でハッキリと言った後は微笑んで見せ、数センチの距離にある、形のよい唇に軽くキスをした。
するとスーツの腕の囲いが外れ、やっと彼は私を解放してくれる。
その顔を見れば、機嫌が直っているのが分かるけど、嫉妬深く心配性という性質が変わったわけではないので、彼らしい約束事を言いつけられた。
「明日、出かけてから帰るまで、二時間おきにメールして。朱梨と友達が、どこでなにをしているのかが分かるような画像もつけて」
「二時間おき……。
もし、うっかり忘れたら?」
「出張先から飛んで帰る。
仕事を放り出して帰れば、ユキヒラのイメージが悪くなるだろうね。信用問題だ。朱梨のせいで」
ニヤリと笑うその顔に、私は笑顔を引きつらせる。
冗談だと思いたいけれど……私への執着がすごい悠馬さんなら、やるかもしれない。
会社の信用問題を、私のせいにされてはたまらないので、明日は二時間おきにアラームをセットしておこうと考えていた。