副社長は束縛ダーリン

食品開発部は、冷凍コロッケ課とその他の冷凍食品課に分かれている。

なぜそのような分け方をしているのかというと、うちの会社は冷凍食品業界では売上五、六位をさ迷う中堅企業だが、主力商品の冷凍コロッケだけで見ると市場シェアはナンバーワンだから。

ユキヒラ食品といえばコロッケで、冷凍コロッケといえばユキヒラ食品なのだ。


さらに冷凍コロッケ課は数人構成の四班に分かれていて、私が所属しているのは、この二班。

二班には今年、新入社員が入ってこなかったので、二年目の今も変わらず一番新人なのは私ということになる。


それに甘えているつもりはなかったのだけれど……確かに泉さんに指摘された通り、私のレシピはミーティングにかけられる段階にも至らない。

痛いところを突かれて『まだ勉強期間』とモゴモゴ言い訳しつつ目を泳がせたら、また叱られてしまう。


「私も、班長だって勉強中。開発部にいる限りずっと勉強でしょ。言い訳にならない。
私は一年目で、レシピのひとつを商品化に結びつけたよ。朱梨だって頑張ればできるから」


「え、一年目で!?
泉さん、すごいです。尊敬します!」


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