副社長は束縛ダーリン

「姉ちゃん、コロッケ食いながらニヤけないで。キモイ」


あれ? 心で秘書さんに詫びていたはずなのに、なぜか頬が緩んでいたみたい。

それを指摘されるのはいいとしても、姉に向かって『キモイ』とは無礼な。


「草太だって、悠馬さんが来てから、ニヤニヤしてるじゃない」

「え、嘘、ニヤけてねーよ。朱梨に彼氏ができてよかったと、思ってやってんじゃん。
しかもイケメンだし、副社長ってマジすごい。完璧じゃん。女の趣味は悪いようだけど」

「なんですって……?」


姉の価値を知らず、見下したようなことを言う弟に、私はムキになる。

すっかり口が達者になっちゃって、口論しても勝てないようなら、実力行使。

どっちが上かを教えてあげないと。


草太の皿の上には、手付かずの千切りキャベツと、半分かじったコロッケがのっていた。

その食べかけのコロッケを箸でサッと掠め取り、驚く弟の目の前で、ひと口で頬張ってみせた。


「あっ、俺のコロッケ!」


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