副社長は束縛ダーリン

悠馬さんはすぐにスマホゲームをやめたけど、草太は「待って、後ちょっとで二千点に……」と、やめようとしない。

だから優しい姉として、弟がすぐにゲームから離れられるように、お盆で頭をポコンと叩いてあげた。


「痛って! 暴力反対」

「暴力じゃないよ。優しいお姉さんが、愚弟をかわいがってあげただけ」

「えー、かわいがってもらった記憶がないんだけど」


やっぱり生意気なことしか言わない草太だけど、それでもスマホを畳に置いて、ちゃぶ台に向かう。


三人で緑茶を飲みつつ、芋羊羹をつついていると、草太が「あ、そうだ」と、なにかを思いついた様子で悠馬さんを見た。

まだどことなく子供だなと思える瞳と、悠馬さんの視線が合わさると、草太は普通の調子でサラリと聞いた。


「雪平さんは、姉ちゃんのどこに惚れたんですか?」


問われた悠馬さんはグラスを宙に止めて、目を瞬かせ、私は口に入れようとしていた芋羊羹を、皿の上に落としてしまう。


この弟は、なんて恥ずかしいことを平然と聞くのよ。

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