副社長は束縛ダーリン
酔っ払いの強引なテンションで、ユッコが私のバッグを掴み、高々と掲げて言う。
「見てよ、このバッグ。エムオスのバキーンだよ! 朱梨〜、このバッグ、誰に買ってもらったの?」
「副社長に……。でも、ねだってないよ。
素敵だなと思って、ただ見ていただけなのに、悠馬さんが交際一ヶ月記念に買ってやるって……」
悠馬さんは、よくプレゼントしてくれる。
そのバッグも、この腕時計も、着ているワンピースも、すべて彼のプレゼントだ。
金銭感覚が庶民の私と違うようで、値段に気後れする私に、『別に高くないよ』と、サッとレジに持っていってしまうのだ。
だから最近では、デート中に高級ブランド品の店の前で立ち止まらないよう、気をつけている。
私は物を買ってほしいから、彼とデートしているわけじゃない。
一緒にいる時間を幸せに思うから。
ただ、それだけなのに……。
しきりに羨ましがる酔っ払いの女子五人に、「プレゼントしたがりの悠馬さんには、ちょっとだけ困っているんだよ」と反論してみたら、女子全員を敵に回してしまった。