副社長は束縛ダーリン
「朱梨の新作レシピ?
……じゃないようだね。泉さんのレシピか」
ゾクリとするほど響きのよい、低く滑らかな声を耳元で聞いたため、昨夜の彼との情事を思い出して、私の顔は瞬時に熱くなる。
「悠馬さん……あ、すみません、副社長」
そう、この会社の御曹司で副社長の彼は、私の恋人。
交際を始めて三ヶ月が経つが、いまだに夢だろうか?と思うときがある。
こんなに素敵な男性が、私なんかを恋人に選んでくれたなんて……。
身長は百八十センチを超えて、手足がスラリと長く、引きしまった細身の体型は、どこのモデル事務所に所属ですか?と聞きたくなるほどだ。
清潔に整えられたビジネス向きの黒髪に、健康的な色合いの肌。
切れ長二重の瞳は涼しげで、筋の通った鼻と少々薄い唇は完璧な配置にある。
容姿端麗で御曹司で、加えて人当たりもよく、優しい彼。
どんな女性でも虜にできそうな彼なのに、私みたいなどこにでもいそうな女を選んでくれるとは、一体どういうことなの?
もしかして私は……自分で思うより、いい女なのかもしれない。
最近、真面目にそう思い始めたところだ。