副社長は束縛ダーリン

確か三ヶ月ほど前の、悠馬さんのマンションに泊まった週末のこと。

彼がシャワーを浴びている間、手持ち無沙汰の私は、スマホで飲食店の口コミサイトを見ていて、この店に目を止めた。

メルヘンチックな外観とインテリアに心惹かれ、料理の評判も高くて、いつか行ってみたいとブックマークしておいたのだ。


それを思い出して私が驚いていると、悠馬さんは、したり顔で笑って言う。


「この店に来たかったんでしょ?」


予約したのはカジュアルフレンチの有名店だとだけ彼に教えられていて、この店だとは思っていなかった。

きっとこれは、悠馬さんのサプライズ。

この店に連れてきてもらえたことだけじゃなく、私を喜ばせたいという彼の気持ちが嬉しくて、「ありがとうございます!」と満面の笑みを隣に向けた。

その直後に、ふと疑問が湧いて、私の笑顔は固まる。


私、ブックマークしたこのお店のウェブページを、悠馬さんに見せたかな……?


三ヶ月ほど前の記憶を手繰り寄せる。

シャワーを浴びて、上半身の筋肉美を惜しげもなく披露しながら、彼はリビングに戻ってきた。

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