副社長は束縛ダーリン
スマホを手にしている私に彼は、『誰かとメール?』と聞いてきた。
『違いますよ』とだけ答えて、スマホをテーブルに置き、私もシャワーを浴びようとリビングを出ていって……。
やっぱり、この店について、私は悠馬さんになにも伝えていない。
それなのに、私がこの店に行きたがっていることを知られているということは、彼が私のスマホを覗いたということになる。
心配性の彼のことだから、あのとき私が他の男とLINEでもしていたのかと怪しんで、チェックしたのかな?
ロックをかけているのに、パスコードも知られているみたい。
固まった笑顔のままで悠馬さんを見つめていると、フッと柔らかい笑みを浮かべた彼が、顔を近づけてきて、唇に軽いキスを落とした。
思わず頬を熱くする私に、「入ろう」と彼は歩みを促す。
クローバーとレンガのアプローチを、ドアに向けて歩き始めたスーツの背に、私は飛びついて抱きしめた。
嬉しさが突き抜けたからだ。