【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 


猫耳に、尻尾って……! どうして!?

驚きで、頭の上の耳がぴくんと動く。


「わ、すげ。この耳動くの? 本物みてぇ」

そう言いながら、千葉くんの手が乱暴に猫耳を掴んだ。

「痛い……っ!」

敏感な内側に指が食い込んで、思わず私は悲鳴を上げる。

「痛い?」

驚いて手を離した千葉くんに、慌てて距離を取る。
フーッと猫が唸りながら警戒するように、耳が後ろに倒れ尻尾が逆立つ。

「え。まってそれ、本物なの?」

千葉くんは明らかに、私の猫耳と尻尾を見ていた。


私と専務にしか見えないと思っていた猫耳と尻尾が、なんで……?


この状況をどうやって説明すればいいんだろう。
そう思っていると、長い腕に後ろから抱きしめられた。

「きゃ……!」

突然のことに驚いて顔をふりむけば、険しい顔をした専務が、私のことを千葉くんの視線から隠すように、胸の中に囲い込んでいた。

 
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