【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「せ、専務……」
腕の中で小さくもがく私に、専務は腕の力を込める。
耳が見えないように、大きな手のひらで私の頭を包んだ。
「俺の秘書になにか?」
ぞっとするような冷たい口調で、驚く千葉くんにそう問いかける。
いつも穏やかな専務が、別人のように鋭い表情をしていた。
「いや……」
言い淀んだ千葉くんに冷たい一瞥をくれると、私を胸にかばったまま踵を返す。
足早にロビーを後にする専務。
不安になって専務の顔を見上げると、今までみたこともないほど不機嫌な表情をしていた。