【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 

「あ、千葉くんがものすごく霊感が強いとか!」

私が思いついたことを言ってみると、専務が険しい顔のまま首を横に振る。

「それはないだろ。俺は霊感なんて持ってないし、それならクミコさんに見えないのがおかしい」
「……そうですね」

霊能者のクミコさんも、ハチの気配はわかるけど猫耳は見えないと言っていたのを思い出して、しょんぼりと肩を落とす。

「詩乃ちゃんと親しい人だけに見える、とか?」

専務の言葉に今度は私が首を横に振る。

「それなら、普段一緒に仕事をしている大野さんや桃井さんにも見えてもおかしくないですし、高校を卒業してから一切連絡を取ってなかった千葉くんとは、別に親しくないです」
「そうかぁ……」

お手上げだ、というように専務が天井を仰いだ。

猫耳と尻尾が生えてから一ヶ月以上たつけれど、専務と千葉くん以外には誰にも見えてなかったはず……。
どうしてふたりにだけ。

考え込んでいると、あることを思い出してハッとした。

 
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