【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「無理やり除霊すんのがイヤなら、未練を晴らして成仏させるしかねーだろ」
千葉くんと私が寝る……?
激しい雨の中で視線を上げると、千葉くんが怖いくらい真剣な表情でこちらを睨んでいた。
千葉くんの持っていた黒い傘が、テンテンと音を立てながらアスファルトの上を転がる。
その傘を目で追っていると、強引に顎を捕まえられた。
「やだ……!」
キスをされる、そう思って反射的に顔をそむける。
今朝、専務とキスをした。
その唇に、触られたくない。
抱きしめる千葉くんの胸を押し返そうと、手に力をこめてもがくと、千葉くんがイライラしたように舌打ちをする。
「このまま猫に取り憑かれて呪い殺されるより、俺に抱かれる方がイヤなのかよ」
「イヤに決まってるでしょ!?」
必死にもがき、泣きながら叫んだ。
十年前、千葉くんに言われた言葉は、今も胸に突き刺さったままだ。
雨に濡れ、ひとり帰った花火大会の三日後。
ようやく会うことの出来た千葉くんは、私の顔を見た途端こう言った。
『お前みたいな可愛くない女と、本気で付き合うわけねぇだろ! うかれてんじゃねーよ』
その言葉に、思い切り頬をひっぱたかれたような気がした。