【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 

「それは……」

私の問いかけに、千葉くんは言いよどむ。
やっぱり今は適当な言い訳をしているだけなんだと、怒りで頬が熱くなった。

あの頃は、千葉くんの事が好きだった。
からかわれていただけだと知って、悲しくて悲しくて、ショックでなにも考えられなくなるほど、千葉くんのことが好きだった。

だけどそれはもう、十年も前のことだ。
今私が好きなのは、千葉くんじゃない。

「離して!」

千葉くんの腕を振り払おうともがくと、眉をひそめてこちらを睨んだ千葉くんが舌打ちをした。
私の体を抱きしめ自由を奪い、首筋に顔を埋める。

「やだ……っ!!」

肌に触れた唇の感触に、嫌悪感が湧き上がって、思わず叫んだ。

いやだ、いやだ、いやだ。
触れられたくない。
手のひらの温度も、触り方も、匂いも、息遣いも、専務とは全く違う。
理屈ではなく、本能で体が拒絶してしまう。

彼の荒い吐息が耳元にかかって、嫌悪感で肌が粟立った。

 
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