【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「それにしても、なんであいつなんかについて行った?」
不機嫌にそう責められ、戸惑いながら俯いた。
「つ、ついて行くつもりはなかったんですが、強引に腕を掴まれて……」
「少し、無防備すぎるね」
そう言って、専務がこちらに視線を投げる。
いつも私をからかうときとは違う、もっと意地悪な視線。
「ハチに取り憑かれてから、味覚や嗅覚が変化してたの?」
「自覚はないんですけど、千葉くんに言われて、そう言われるとそうかもしれないって……」
「それで、成仏させるためならあいつと寝ようと思った?」
そう言われ、慌てて首を横に振る。
「まさか!」
ぶんぶんと、力いっぱい首を振る私を見て、専務は少し意地悪に笑った。
「本当に?」
「いくらハチを成仏させるためだからって、千葉くんと寝るなんて、無理です……」
尻すぼみにそう言って、口をつぐむ。
そんな私を眺めながら、専務も少し黙り込む。
アスファルトを叩く雨の音でうるさいはずなのに、街は妙に静まり返っていた。
ひどくうるさい私の心臓の音が専務に聞こえてしまいそうで、そっと深呼吸を繰り返す。