【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 

「そんな強く唇を噛まないの」

頑なに声をこらえる私に、専務は笑いながら頬をなでる。
恐る恐る目を開けば、優しい表情でこちらを見下ろす専務。

「だって、」
「だって?」
「変な声が、出そうになるんです」
「聞かせてくれないの?」

私の戸惑いに、専務がねだるように甘く笑う。

「やだ……。恥ずかしい、から」

そんな情けない声を、専務に聞かせられるわけがない。
私が駄々をこねるように、シーツに後頭部を擦り付けてかぶりを触れば、専務は喉の奥で密やかに笑う。

「じゃあ、口を塞いでおく?」

私が頷くと、唇が重なった。

……そういえば、今朝専務としたのが、私のはじめてのキスだ。

そう気づいたのは、専務の舌が私の口内に差し込まれた時。
人の舌がこんなに柔らかく温かいことを初めて知って思わず目を見開くと、至近距離で二重の綺麗な瞳が楽しげに弧を描いていた。

 
< 169 / 255 >

この作品をシェア

pagetop