【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
『冬木詩乃ともうします。よろしくお願いいたします』
彼に向かってそう頭を下げると、その人はにっこりと笑った。
整った顔が笑うと少し崩れて人懐っこくなることを、その時はじめて知った。
『冬木さんは、今まで総務にいたんだ? 新しい秘書はどんな人がくるのかなって思ってたんだけど、冬木さんみたいに……』
専務は微笑みながらそう言いかけて、口をつぐんだ。
私は表情を変えることなく、言葉を飲み込んだ専務のかわりに口を開く。
『私みたいな、可愛げも面白みもない秘書で申し訳ありません』
専務はきっと、こんな無愛想な女が秘書になってがっかりしているんだろうなと思い頭を下げると、目の前で彼が吹き出した。
『なにか?』
なにが楽しくて笑っているんだろうと不審に思って顔を上げると、専務は手で口を覆いながら肩を揺らしていた。
『いや。可愛いなと思って』
言っている意味が分からなくて、戸惑いながら眉をひそめる。そんな私に専務は続ける。
『君は、可愛げがなくなんかないよ。優しいし可愛いよ』
綺麗な二重の目を緩め、微笑みながらそう言った。