【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 


今日が、土曜日でよかった。
仕事が休みで、専務と顔を合わせずにすんだから。

専務の部屋のリビングのテーブルの上に、『ご迷惑をおかけしました。用事があるので帰ります』という書置きを残し、逃げるように部屋から出た。



……一体、これからどうすればいいんだろう。

私はひとり途方に暮れて、当てもなくふらふらと歩く。

目が覚めれば、猫耳も尻尾も消えて、以前のように戻れると思ってた。
だから、勇気を振り絞って専務に抱いてもらったのに。
猫耳と尻尾さえ消えれば、なにもなかったことにして、今まで通り専務への気持ちを隠し続けて、無愛想な秘書として専務のために働いていけると思っていたのに。

なのに、猫耳も尻尾も消えなかった。
ハチの未練を晴らせば、成仏してくれると思ったのに。

「ねぇ、ハチ……。一体どうすればいいの……?」

そうつぶやいてみても、返事が返ってくるわけがない。

ゆらゆらと不安げに揺れる尻尾を両手で掴んで、道端にしゃがみこんだ。
すると、コツンとヒールの靴音がした。

 
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