【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
大事なものってなんだろう。
少し気になるけど、でも首を横にふる。
「大丈夫です。専務の留守中に、勝手にあちこち見たりしません」
強い口調でそう言うと、専務は笑いながら私の腰に腕を回した。
「ずっと気になってたんだけど。詩乃ちゃんは、いつまで俺のことを専務って呼ぶの?」
そう問いかけられ、驚いて肩が飛び上がった。目を丸くして専務の顔を見る。
「え……?」
「恋人なんだから、誠人って呼べばいいのに」
「む、無理です無理です」
とんでもないことを言われ、すごい勢いで首を横に振る。
専務を『誠人』と呼ぶなんて、そんなの、絶対無理に決まってる。
「どうして?」
「……だって、名前で呼ぶクセがついて、万が一会社でもそう呼んでしまったら、困るじゃないですか」
「客の前では困るけど、別に社内で呼び間違えるくらいならいいよ」
「よくないですよ!」
のん気な専務にぴしゃりと強い口調で反論する。
「専務と秘書だってことは、ちゃんとわきまえてますから」
私の言葉に、専務は眉をひそめ不満そうにこちらを見ていた。