【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 

「い、いつからいたんですか!」
「早めに帰れたから驚かそうかなと思ってこっそり入ってきたんだけど、詩乃ちゃんが、俺が帰ってくるのを待ちきれなくて、何回も窓の外を眺めたり時計を見たり料理の味見したり、そわそわしてるのがすごく可愛いくて」
「あ、悪趣味……!」

あの落ち着かない様子を見られていたなんて!

恥ずかしくて頬が熱くなる。

「黙って見ててごめんね。いつも冷静な詩乃ちゃんが、こんなに俺の帰りを楽しみにしてるんだなって思ったら、嬉しくて」

クスクス笑いながら抱き寄せられ、思い切り眉をひそめた。

「別に、楽しみになんてしてません」
「またそうやって意地を張る」
「意地なんて、張ってません」

なんとか仏頂面でそう言ったけど、私の気持ちなんてもう専務にはお見通しで、「じゃあ、そういうことにしといてあげる」と甘く微笑みかけられて思わず体の力が抜けた。

猫耳と尻尾がなくたって、この人にはかなわないと思ってしまう。

 

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