【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
長男の弘人さんだって十分イケメンで、将来が約束された御曹司なんだから、彼の秘書だって玉の輿を期待してもおかしくないのに、彼が女子社員から言い寄られたなんて噂は聞いたことが無い。
「兄貴は昔から日本人よりも、海外の女の子の方が好きだって公言してるから、秘書も諦めてんじゃない?」
「そうなんですか……」
知らなかったそんなこと。
口を手で覆ってほうっとため息をつくと、専務が私を睨んだ。
「俺は将来ちゃんと結婚したいって思って真剣に付き合ってたつもりなのに、詩乃ちゃんはそうじゃなかったんだ」
「わ、私も真剣でしたけど、専務にとって私はからかいがいのある秘書の延長というか、ペットみたいなものなのかなと思ってました」
そう言うと、専務は乱暴な仕草で髪をかきあげてこちらを見下ろす。
「ペットなんかなわけないだろ」
不機嫌な声色でそういわれ、私はぎこちなく頷く。
専務は怒っているのに、どうしようもなく色っぽくて頬が熱くなる。
「ちゃんと、本気で好きだよ」
その言葉に、ますます顔が熱くなった。
顔だけじゃなく耳も首筋も手も。きっと、専務に見られているところ全て、真っ赤になっていると思う。
恥ずかしくてしかたない。