【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
それからあっという間に二年が過ぎ、彼女がそばにいる生活にすっかり慣れてしまった。
役員室の応接ソファーに座り、新聞記者の取材を受けながら、時折背後にいる詩乃ちゃんの様子を伺う。
真面目に会話に耳を傾け、問題のある質問がないか確認しながら、視線は記者の持つボールペンに向かっていた。
あのボールペン、そんなに珍しいのかな?
そう思い、つい俺もその手元に注目してしまう。ペンの持ち手の先に銀色の肉球型のチャームが付いた、猫のキャラクターのボールペン。
思わずじっとみつめていると、その視線に気づいた記者が笑った。
「もしかして、お好きですか? 『にゃんだろう君』」
白と黒の斑猫の絵がついたボールペンを掲げてみせる。
「このキャラクター、『にゃんだろう君』って名前なんですか?」
「うちの新聞社のオリジナルキャラクターなんですよ。なかなか人気なんですが、グッズ販売をしていないので、一部の猫好きにはレア物扱いされてるらしいです」
「へぇ……」
と、いうことは、後ろから熱心にボールペンを見ていた詩乃ちゃんも、猫好きなのかな。なんて思う。
ちらりと様子を伺えば、まったく興味のなさそうな涼しい顔をする彼女。
いつも真面目で冷静な秘書でいようとする彼女がいじらしくて、思わずからかいたくなってしまう。