【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
基本、女の子には優しいタチだと思っていた自分が、こんな風にひとりの女の子に執着してちょっかいを出したくなるなんて、思いもしなかった。
詩乃ちゃんが秘書になってから、早二年。
最初の挨拶のときは、綺麗だけどとっつきにくそうだななんて思っていたけれど、すぐにその印象は変わった。
それは、彼女が役員室を出た後の、小さな物音。
それが、なんの音か知った時、彼女が可愛く思えてしかたなくなった。
俺がそのことに気づいていることを、彼女は知らない。
言ったら詩乃ちゃんはどんな反応をするだろう。そう想像するだけで、楽しくなる。
まるで、好きな子をかまいたくて仕方ない、小学生みたいなガキっぽさだ。
「詩乃ちゃん」
新聞社の記者が帰った後、声をかけると「冬木です」と訂正しながら振り向いた。
いつも『詩乃ちゃん』と呼んでいるのに、いちいち訂正する生真面目さに笑いをこらえながら、可愛い猫のキーホルダーを差し出す。
目の前でゆらゆらゆれる白と黒のハチワレ猫のイラストのアクリルキーホルダーに、詩乃ちゃんは目を真ん丸にしてごくりと喉を鳴らした。