【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「さっきの新聞社の神崎さんがくれたんだけど、詩乃ちゃんこういうの好きでしょ」
「別に、好きというわけでは……」
本当は好きで仕方ないくせに、興味のないフリをする彼女に心の中で苦笑いする。
受け取っていいのか躊躇っている詩乃ちゃんに、強引にキーホルダーを握らせて、色々なグッズが入った袋も押し付ける。
恐る恐る袋の中を覗き、小さく飛び上がる彼女。
細く白いうなじが赤く染まって、喜んでいるのが伝わってくる。
「俺が持ってても使わないし、あげるよ」
そう言うと、詩乃ちゃんは袋から顔を上げ、驚いた顔でこちらを見た。
「つ、使わないんでしたら、いただきます」
開いた目を慌てて細め、無表情の仮面を付けてにこりともせず頭を下げる。
「なにかお飲み物お持ちしますか?」
冷静な口調でそう言った彼女に「よろしく」と頷くと、会釈をして役員室を出ていく。
その後姿を眺めていると、ぱたんとダークブラウンの扉が閉まった。
そして、また聞こえる小さな物音。
こつん。
なにかが扉にぶつかる音。
静かに耳を済ませていると、扉の向こうから微かなため息が聞こえた。