【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
枕から頭を上げて、なんとなく部屋の中を見回す。
ワンルームの詩乃ちゃんの部屋。ひとりサイズのシングルベッドにソファー。小さめのローテーブルにテレビ。
ひとり暮らしの女の子の部屋にしては、シンプルな部屋。だけど、ちょこちょこ紛れている猫グッズが控えめな詩乃ちゃんらしくて可愛らしい。
窓際の背の高い棚の上に飾られたハチの写真と目が合った。
今度、美味しい猫缶を買ってきて、あの写真の前に置いてあげよう。
そんな事を考えていると、腕の中で眠っていた華奢な体が小さく動いた。
「ん……」
手の甲で目をこすりながら、目の前の俺の胸に小さな額をこすりつける。無意識のその甘えた仕草がかわいくて仕方ない。
「おはよう」
そう声をかければ、詩乃ちゃんは我に返ったように胸にこすりつけていた頭を止め、そのままうつむく。
髪の間からのぞく白いうなじが赤くなっていく。
「お、おはようございます……」
無意識に甘えたことが、恥ずかしくて顔を上げられないんだろう。
小さな額を俺の胸に押し付けたままずりずりと布団に潜っていく。
うつむいたままのぎこちない挨拶に、思わず吹き出した。