【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 

付き合い始めて一ヶ月が経つのに、まだまだ恋人として接することに慣れてくれない彼女を、笑いながら抱き寄せた。

「そろそろ慣れようよ」
「そんな無茶を言わないでください」

抱きしめて顔を覗き込めば、さらに俯いて頑なに顔を隠す。

「なんで?」
「寝起きに至近距離で専務の顔は、心臓に悪いです」
「なんか傷つく」
「そうじゃなくて……!」

俺が声のトーンを落とすと、慌てて顔を上げてこちらを見る。
その彼女の唇に、猫が鼻先を寄せるような、触れるだけのキスをすると、目の前の顔が真っ赤になった。

「おはよう、詩乃ちゃん」

その真っ赤な顔を見つめてにっこりと笑うと、両手で顔を覆い、また俯いてしまう。
そこまで徹底して顔をそむけられると、少し傷つく。

「ねぇ、詩乃ちゃん。前から思ってたんだけど、俺の顔嫌い?」
「まさか!」

俺の問いかけに詩乃ちゃんは両手で顔を覆ったまま首を横に振る。

「じゃあなんでこっち見ないの?」
「だって、ずっと憧れてきた人が、自分の隣で寝てるなんて、ちょっとまだ信じられなくて」

そんな事を言う彼女にクスクス笑いながら、細い手首を掴んだ。
顔を覆っていた彼女の手を開き、両手をベッドの上に押し付ける。
そうして覆いかぶさって見下ろせば、彼女が真っ赤な顔でこちらを見上げていた。
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