【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで


「じゃあ先に帰るけど…」

「うん!大丈夫だよ、また明日ね」





歯医者の予約がある悠子は心配そうに教室を去っていく。


さーて、日誌を書いちゃいますか。


誰もいない教室はしんと静まり返っていて、たまにグラウンドからサッカー部の声が聞こえてくる。


あ、ゴール入った。


ちらちらと窓の外を見ながら時間に追われることもなくゆっくり日誌を完成させていく。

なんて静かで優雅なんでしょう。



あ、さっき作ったピザの残り食べちゃおうかな…





「大分冷めちゃったか…」





まだほんのり温かいものの焼きたてよりはやっぱり劣る。





「あっ、落ち…」





慌てて出した手にトマトが落ちる。

焼きたてじゃなくて良かった…火傷するところだった。





「ご馳走様でした」





ティッシュで手を拭いてから日誌を持つ。

職員室に届けに行こう。

そう席を立った。

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