【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで


「…~~!」





職員室に向かう途中、話し声…というにはちょっと激しめの声が聞こえた。


喧嘩だったら止めなきゃだし(私で止められるか分かんないけど)

そう思って声のする方へ向かう。





「……月星の教室」





悪い予感しかしない。放っておこうかとも考えたけど、行かなきゃならない理由がそこにはあった。


この声…橋本くん?





「何があったのか教えてください。芹澤さんが最近変なの貴方のせいですよね?」

「はぁ…俺忙しいんだよね、ってかお前誰?
何でそんなの言わなきゃなんねーんだよ?」





思わず聞き耳を立ててしまう。

何で橋本くんと月星が話してるの?!





「すみませんでした。僕は芹澤さんと同じクラスで学級委員の橋本幸大です。
芹澤さんと貴方が何かあったのなんて彼女を見ていれば分かります。でも話してくれない、なら貴方に聞くしかないじゃないですか」

「それ知って、どうすんの」

「それは…
でも僕は、あれ以上苦しそうな彼女を見ていたくないんです。何か力になりたい」





聞いているこっちが恥ずかしくなるほど真っ直ぐで。





「あいつを家に連れ込んで襲って、泣かれて逃げられた。それだけだよ」

「お、おそ…っ!
なら何であんなに芹澤さんは苦しそうなんですか!」

「…知らねえよ」





面倒くさい…そんな感情が扉を挟んで伝わってくるようだった。


< 61 / 171 >

この作品をシェア

pagetop