【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで


「うわ、芹澤さん!!」





崩れかけた私の体を橋本くんが支えてくれる。





「ごめんなさい、僕…余計なことして迷惑を…本当にごめんなさい!!」





必死に謝ってくれるけど、もうそれどころじゃなくて私は空返事しか出来なかった。





「あの、こんなことしといて本当に勝手ですけど…
早く松下くんのこと忘れた方がいいです。その役に立てるなら何だってしますから!」





胸を張って言ってくれる橋本くん。





「どうしてそんなに心配してくれるの…?」

「そっ、それは…
あ、学級委員ですから!学級委員がクラスの子の心配をするのは当然のことです!」





そんな橋本くんの優しさに救われて、何とか自分を保つことが出来た。

だんだんと目の前の世界に色が戻ってくる。





「あの、大丈夫ですか?
あれだったら送りますけど…」

「ううん、大丈夫!ありがとう。
これからバイトに行かなくちゃなの」





ますます大丈夫ですか?!みたいな顔をする橋本くんに





「ふふっ」





思わず笑いがこぼれてしまった。





「良かった。やっとちゃんと笑ってくれた」

「…え?」

「最近あんまり笑っている顔見なかったので。
あ、高梨さんといるときは別ですけど!」





ぱっと顔を手で覆う。

そ、そんなに笑ってなかった?!





「これなら大丈夫ですね。
じゃあ、また明日!」





満面の笑みで手を振ってくれる彼に私も手を振り返す。

さっきの月星のことなんて忘れたようなスッキリ感。


凄いな…橋本くんって。


< 63 / 171 >

この作品をシェア

pagetop