【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで
生まれて初めての彼氏ができた。
とても優しくて暖かくて、他人のことを大事に思える、そんな人。
私の中に他の人がいるって分かっていながら、それごと受け止めてくれた人。
「せ、芹澤さん…!」
教室に入って自分の席に鞄を置くと、少し顔を赤らめた橋本くんがとととっと寄ってくる。
「お、おはようございます…」
斜め下を向いて言うもんだから眼鏡が光っています…
じゃなくて!
「お、おはよう!橋本くん…」
そんな風にされるとこっちも恥ずかしくなるよ…!!
「何だぁー?付き合いたては挨拶もまともに出来なくなるのかなー?」
ぷぷぷと冷やかして私の背中を叩くのは
「…悠子!おはよう」
「おはよう、璃乃。それに委員長も」
「せっかく付き合ったんだしさ、お互いのこと名字で呼びあうのやめたら?」
「えっ…」
悠子の提案に私と橋本くんは顔を見合わせる。
「璃乃………………ちゃん…」
「幸大………………くん…」
と言ってもいきなり呼び捨てにするのは慣れないもので…
そんな私達を見て、悠子もがくっと肩を落とした。
「どれだけ平和カップルなのよ……」
そんなこと言われましても…
なかなかこういうことに慣れてない私達には高いハードルなんですー!