おはよう、きみが好きです


「夕美っ、あの時のこと八雲に話したのぉ!?」

「玉ねぎが嫌いなのよね、環奈は……ふふふ」


不敵な笑身を浮かべる夕美。

意外と……Sなんだよね夕美って。

でも……みんなと過ごす毎日が楽しくて、みんなと出会えてよかったなと思う。

そんなことを考えてる時だった。


「おい八雲、呼び出しだぞー」

「ん?呼び出し??」


クラスメイトが八雲を呼んで教室の入口で招きしてる。

すると、そこには……。


「八雲、会いに来たよ」

「え、やよ……橋本」


あれ、あの子って……。

保健室で八雲と携帯を取り違えた時に一緒にいた女の子だ。

ガッツリメイクで、目力が強いんだよね。

初めて会った日に睨まれた時も、凍りついたもん。


「ちょっと話したいことがあるんだよね」

「いや、俺彼女いるしふたりで会うのは無理だから」



ハッキリ断ろうとしてくれた。

八雲、あたしのためにそう言ってくれたんだよね。

ありがとう、その誠実さに不覚にも胸打たれる。


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