おはよう、きみが好きです
「八雲……死なないでっ」
「伝えたかったこと……あるっつったろ……死なねー……よ」
途切れ途切れの声、少しずつ閉じていく瞼が、やけにスローモーションに見えた。
「八雲……?」
「…………」
「ね、ねぇ……八雲っ」
「…………」
何度呼びかけても、返事は返ってこない。
まるで、永遠の眠りについてしまったみたいに。
襲ってくる絶望感。
「や、やだ……目を開けてよ、八雲っ!!」
涙さえ出ない。
頭はずっと考えることをやめてしまっている。
だけど、体で感じるんだ。
八雲の体が……冷たくなっていく。
鼻につく鉄の匂いに、『死』の文字が頭に浮かんで……。
「誰かっ、誰か、八雲を助けてっ!!」
気づけば、あたしは何度もそう叫んでいた。