おはよう、きみが好きです



***


『ごめんな、泪』


真っ暗な闇の中で、声が聞こえる。

この声、すぐに分かるよ……。

だって、この声はあたしの大好きな人の声だ。


「八雲……」


どうして、ごめんなんて言うの。

まるで、別れの言葉みたいに聞こえるからやめてよ。


「あぁ……」


もしかして、あたしが八雲にサヨナラって言った時も、こんな風に……。


胸がズキズキして、体から力が抜けていくような、そんな絶望感を、八雲も感じていたのかな。


『約束、守るって言ったのにな……』

「やめて……」


八雲、守ってくれるって言ったじゃん。

だからあたしは、何があってもきみに会いに行くって決めたのに。

八雲だって、ずっと待っててくれるって言ったじゃん!!


『もう俺、行かなきゃ……』

「行かなきゃって、どこに行くの!?」

『ごめんな、ひとりにして……。本当は、ずっとそばに……』


八雲の声が、遠くなっていく。

やめて、この人を連れていかないで。

もう2度と、八雲に会えなくなるような気がして……。


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