おはよう、きみが好きです



「可愛いじゃねーの」


「……うるさいっ、変態!」



どうせ、あたしの赤い顔を見てニヤニヤしてんるんだろう、この男は。


でも、こうして恋人と世間ではイチャイチャ……というやつをしながら帰るのも悪くない。


嘘、本当はすっごく楽しかったりする。


「泪、なぁせっかくだからツーショット撮ろーぜ」


「え、ここで!?」


こんな道の往来で!?

驚いてる間に、八雲はせっせと携帯を取り出して、カメラ機能を起動する。


「ほら、泪、もっと寄れって」

「わっ……」


八雲は楽しそうにあたしをスッポリと背中から包みこむ。

八雲があたしを抱きしめながら、携帯を両手で持つと、ピンッと腕を伸ばした。



「よーし、泪ちゃんと笑えよ?」


「えっ、え!?」


「はい、チーズ」


「ちょっ、待っ……」



ーーパシャッ。

笑顔を作るまもなく、八雲がシャッターを押してしまう。

あたし、絶対変な顔をしてるよ!!

そして案の定……。



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