マ王の花嫁 
「あのっ。貴方のおっしゃる通り、稲刈りは私には無理です・・・あ。あった。はい、ブラウス。今すぐ着てください」
「暑い」
「風邪を引きますよ」
「俺は頑丈だ」
「それは・・・見れば分かりますが・・・でも筋肉は減らさなくても、そのままで十分・・・」
「何だ?クイーン。聞こえんぞ」
「いや別に!」と慌てて言いつつ、「実は聞こえていたくせに」という意味を込めて、私はまだニヤニヤしているライオネル王を一睨みした。

「ちゃんと汗を拭いてくださいね。えっと、あなたのブーツは確かこの辺りに・・・あーっ!!」
「どうした、ディア」
「ぃやっ、そのっ・・」

咄嗟に手を伸ばした私よりも、ライオネル王の方が素早かった。

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