マ王の花嫁 
ガックリと頭をうなだれるフィリップは、きっと自分を責めているのだろう。
母様を護れなかった事に。
そして、フローリアン王子の事も護れなかった事に。

私はフィリップのシワシワの手に、自分の手をそっと重ね置いた。

「それもあって、ワシは近衛兵を抜けたんじゃ。もうあんな世界に身を置くのは嫌じゃと思うてな・・・」
「それで私を育ててくれたのね」
「・・・実はな、アンナマリア様が夢に出てきたんじゃ」
「え?」
「ワシは二人の逢瀬に協力はしていたものの、アンナマリア様と直に話をしたことは一度も無かった。じゃが・・・自分亡き後、おまえの事を頼む、おまえはラワーレの民を救う未来の光だからと、夢で言われてな。夢だと分かっておるのに、実際にアンナマリア様と会って話したような、そんな現実味のある夢じゃった。それで、逸る気持ちを抑えながら、アンナマリア様が住む小屋へ向かったものの、そこには誰もおらず・・・。孤児院へ行ってみると、おまえがおったというわけじゃ」
「そうだったの・・・」

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