見上げた空は広かった
その言葉がまるで聞こえたかのようにハナは俺の方を振り向いた。

唇は微笑んでいる。
そんなハイになった目で同じように微笑まないでくれ。
俺は少しだけ思った。
その声がまるでまた聞こえたかのようなタイミングでハナは顔の向きを窓の方へと変えた。

もしかして、彼女がラウラに見えるのは何か彼女なりの闇があるのかー。
考えすぎか。

マリファナのせいか。ただの幻想か。

すると突然、俺は横にいる彼女がいつか消えていくような感じかした。

ラウラのように当時の彼女のように、今まで俺の元を去っていった人たちのようにー。

そう思っていると俺の体は勝手に動いていた。ジョイントの火が消える。

気がついたら俺はハナを抱きしめていた。潰れるくらいに強くー。
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