見上げた空は広かった
「痛い。。。」

ハナは優しく僕の顔を見上げながら囁いた。

彼女の目は綺麗だった。

俺は抱きしめていた腕を少しだけ緩めると、ゆっくりと彼女の顔の方へ近づいていった。
彼女は目をつぶった。

何も聞こえない。

月の光がただ僕らを青白く照らすなか俺はハナにキスをした。

ハナは俺を受け入れる。
ゆっくりと唇を離した後に見つめた彼女の目はまるで俺の全ての心情を読み取ったような目で少しだけ俺を哀れんでいるようだった。

次の行動がまるで浮かばない。
俺が固まっているとハナが俺を抱きしめた。

強く強く抱きしめた。

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