願わくば、この先もずっと・・・
「うん、やっぱりおいしいな。鈴木くんの作ってくれるご飯。肉じゃが、本当に美味しい」


最初に作ってくれた車麩の入った肉じゃが。鈴木くんとの1番の思い出の味。


最初はなんで肉じゃがに車麩?なんて思って文句も言ったし、そんなに肉じゃが好きでもなかったのに、食べた瞬間に一瞬で虜になった。


『美味しい、何これ。止まらない』


鈴木くんにあなたを管理しますという宣言をされた次の日、休みだからと一番に食卓を買いに行くと言われた。酔っ払って二日酔いの私。そんなこともおかまいなしに朝の10時に起こされ、頭痛の中家具屋さんへ。


二日酔いで冷静な判断ができず、適当にこれでいいと見つけたものを選ぶとそれはダメだの、これは足がすぐ折れそうだのとケチをつけられた。


『これは?これなら足もしっかりしてるし、フォルムが可愛い』


『それいいですよ。まさに食卓って感じです』


やっとお許しが出たのがこのテーブルだった。木目が見える浮彫仕上げで足は短いけれどしっかりと太めのライトブラウン。


値段は少し高めの2万円超えだけれどずっと使うには丁度いい。そして鈴木くんと一緒に囲むのだから彼がいいと言ってくれたこのテーブルにしようと思った。
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