ハイスペックイケメンなんてお呼びじゃない!~バツイチナースは恋に無関心~
『はい、痛み引いたね!それじゃあ子宮口確認するから足開いてね!はーい、大丈夫だよ。』


うん、もう子宮口ほぼ全開で赤ちゃんの頭も触れる位置にある。

もういきんで出してしまいたいだろう。

『救急車は、あと何分で到着予定ですか?』

『あと15分です。』

うん、間に合わないな。
でも産まれて綺麗にした赤ちゃんをすぐ保育器には入れられそうだ。


『先生、子宮口ほぼ全開です。赤ちゃんの頭も触れます。少しいきんだら破水してすぐ産まれると思います。』


『そうか、じゃあ産ませた方がいいな?』

『はい、もうお母さんもいきみ逃しは限界のはずですから』

『産湯とタオルなどの準備は整ってますか?』

『そちらの準備は大丈夫です。』

やはり妊婦健診は請け負ってるだけあり万が一に備えてお産も一応出来るだけの備えはあるようだ。


『それでは救急隊には保育器を必ず上げてくるように伝えて下さい。』

『はい、分かりました。』




こうして出産にむけて準備して

『はい、お母さん頑張ってるね。いきみたい感じはあるかな?』

[はいぃ、もうガマン無理!!!!]
[あぁぁ!!!]

『はい、叫ばないでゆっくり息吸って吐いて!』



『はい、この紐掴んでね!足しっかり開いて!次の痛み来たらいきんでいいからね!』


『はい、いきんで!!』

[んーーーーー!はぁはぁはぁ]


『はい、もう1回いけるよ、いきんで!!』

[んんーーーーー!!!はぁはぁはぁ]

[パチン!!!]



『はい、破水しました。』


[いったーーーーーいぃぃぃ!]

『はい、叫ばない、波きたよ、いきんで!』


[んーーんーーーー、はぁはぁ]

『はい、もう1回いける?』

[ちょっと無理ですーーー]

『じゃあ休憩して、次のいきみで頭出ると思うからね!』

[はいぃ!!]


『はい、いきんで!』

[んーーーーーーー!!!!!]

『よし、頭出たからハッハッハって、短い呼吸でいいからね!
もういきまなくて良いですよ!!!』


[ハッハッハ、ハッハッハ]

頭が出たのでその後たいして引っぱらずにスルンと産まれた赤ちゃん。

『フギャー、フギャー』

『おめでとうございます、女の子ですよ。』

[はぁはぁ、ありがとうございます]

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