ハイスペックイケメンなんてお呼びじゃない!~バツイチナースは恋に無関心~
side葉月


とうとう約束の水曜日。

予定通りほぼ午前中の診療時間内で患者さんの対応が終わり片付けと午後の診療のための準備をしていると入り口当たりで会話が聞こえた。

どうやら内海さんが迎えに来てくれたみたいだ。


早めにここを片付けなければ。


どうやら話してるのは友里さんと玲奈さんとらしい。


やっと片付けてとりあえず通勤服に着替えなきゃと更衣室に行く頃に微かに聞こえた内容


『無いとは思うけど泣かせたらここのスタッフ全員を敵に回す事になるから!』

と玲奈さん友里さんが内海さんに言っている。

すると内海さんはこう答えた





『もちろん、嬉し涙しか流させるつもりありませんから。』


そんな事言われたら、もうなんというか。
うわぁー、どうしよう。


『それなら心配ないわね』


そう2人は言うと休憩室に向かって行った。


うちのスタッフは皆仲がいいし、私もホントに良くしてもらっている。

そんな、人達にそこまで言ってもらえる。


内海さんの気持ちはホントにどこまでも本気なのだと分かって。

『私、嬉しいみたい。』


こんな感情久しぶりでちょっと持て余しそう。


『いけない、早くしなくちゃ』


そうして更衣室に急いで着替えに行くと


『来たわね、葉月ちゃん』


そう言ったのは香さん

『え?香さん早くないですか?』


『はい、早く着替える!』

言われるまま今日のことを考え着てきたキレイめの紺のワンピースにカーディガンを羽織った。


すると胸元にキレイなネックレスを着けられ、髪型もハーフアップに結われ。
綺麗なブラウンのグラデーションアイシャドウをのせられた。
その間5分にも満たない早業だった。


『香さん?!』

『うん、ランチデートにはこれ位で丁度いいでしょ!』


確かにこれなら高級そうな所でも大丈夫そうだ。

『ありがとうございます、行ってきますね』


『フフフ、どういたしまして。結果報告は必須よ!』

と良い笑顔で送りだされた。


そうしてクリニックの入り口に向かった。

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