ハイスペックイケメンなんてお呼びじゃない!~バツイチナースは恋に無関心~
side葉月



内海商事の三男とは聞いていたけど。
この閑静な住宅街で玄関までの長い道に、大きめの車高みたいな建物もあるし。

うん。すっごい大きくて立派な洋館お出ましになった。

『ママ、こうくんのお父さんとお母さんのお家おっきいね…』

『そうね、航平さんのお父さんは大きな会社の社長さんだからね。』


『社長さん。会社で一番偉い人?』

『そうよ。』


車を降りて、そんな会話をしていたら。


『なーに、会社で偉い人でも家に居たらただのジジじゃよ、お嬢ちゃん』


そう後ろから声がかかりびっくりして振り返る。


『ホッホ、初めましてじゃのう。話は聞いておるよ。葉月さんと弥生ちゃんじゃろ?ワシは航平の祖父じゃ。弥生ちゃんは大じじとでも呼んどくれ。』

『こうくんの祖父ちゃんだから大じじ?』

『そうじゃ、賢いのぅ』

そう言って弥生の頭を撫でてくれた。
口調はかなりお歳を召した感じだけど、今なお背すじは伸びて矍鑠としている。
確かこの方まだ会長職だったような…

『祖父さん、いきなり出てきて話しかけるから葉月が固まってるよ』

『ほっほっほ、そう固くならなくて良い。弥生ちゃんくらいの感じで良いんじゃ。我が家のお荷物がやっと片付くと我が家は君たち2人を歓迎しとるからのぅ。』


『祖父さん…』
ちょっと苦笑いしてる航平さん。

そこにそばにある玄関が開いて

『ちょっと航平!まだそんな所にいるの?もう!早くお二人に入って頂きなさい!』

『おぉ、詩織さんすまんのぅ。わしが引き留めてしまった。2人が可愛くってのぅ』

『まぁ、お義父さんでしたの。それじゃあ仕方ありませんわね。』


そう言いながら弥生の前にしゃがんでくれたのは航平さんのお母様みたい。

『弥生ちゃん、はじめまして。私は航平のお母さんよ。おばあちゃまって呼んでくれないかしら?自分の子どもも男の子3人で孫5人もみーんな男の子でしかも大きくなっててもうおばあちゃまって呼んでくれないのよ。』

そう言っている航平さんのお母さんはとっても綺麗でビックリする。

『おばあちゃまって呼んでいいの?すっごく綺麗だからおばあちゃまって感じしないよ?』

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